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キャリア

ライフプランの見直し

毎年お正月には、自分の資産ポートフォリオとキャッシュフローの見直しをしています。キャッシュフロー表は、今後のライフプランに基づいて家計収支を試算する表(和泉のHPの右端に置いてある「TOOLS~キャッシュフローシート」で作成できます。2014年版は1月半ばくらいにアップする予定)。いつまでどのくらい働くかといったワークプランに基づいて収入の見通しを立て、同時に将来にわたる支出予想を入れて、将来の貯蓄残高の推移を確認します。

私の場合、将来の収入の見通しを立てるのは難しいので、先にどんな暮らしをしていきたいかをイメージし、どれくらいのお金が必要かを考えて、それを実現するにはどれくらい働き、あるいは資産運用をしなければならないかを、あれこれ試してみるという感じでしょうか。

で、久々にCF表を見直してみて何より強く感じたのは、この先、そう長くは働けないんだということ。「あらら、人生、もうこんなところまで来てましたか~」と、しみじみしてしまいました。わざわざ表を作らなくても引き算すればわかりそうなものですが、一覧で見ることで改めて深く認識できるのです(以前、弊社のメンバーがCF表を眺めて、「子どもが独立するまで6年かあ。子どもと一緒にいられるのも意外と短い」と言っていたことがありますが、そういうことにいっぱい気づく機会でもあります)。

私は自営なので定年は自分で決められますが、逆にいえば、もっと早い時点で仕事がなくなるリスクもあるわけで、少しでも長く、社会から必要とされる存在でいるために、一日一日を大切に、丁寧な仕事を重ねていこうと思いました。

“すごい人”に学ぶ

昨日の「報道ステーションSUNDAY」は響く内容が多かった

建築家・安藤忠雄さんのインタビュー。
大阪の下町にある長屋で育ち、大学に進学せず独学で建築を学び、世界中の名建築を見てまわったという。若い頃に造ったコンクリートの長屋は生活には不便で酷評されるが、サントリーの佐治社長の目に留まり、サントリー美術館の設計を依頼された。佐治社長は彼の長屋を、「勇気がある設計」と評したらしい。
司馬遼太郎記念館は、司馬氏が好んだ雑木林をイメージして設計したそうだが、周囲の個人宅の壁まで塗り替えたとか。建物自体は素晴らしいが、周囲の風景が邪魔して、台無しになることはよくある。それでも、そこは自分のテリトリー外だからとあきらめてしまうのではなく、周辺まで一体化させることを発想し、実際に状況を変えてしまうところが凡人ではない。著名な建築家だからなせる業と断じるのはたやすいが、私たちは試しもしないうちから、「そこまでするのは難しい」と一定のフレームで括り、自らを縛ることも少なくない。新しいものを生み出す人はきっと、そのフレームがないのだ。

番組後半では、イチローの活躍が報じられた。
今年7月、「若い選手が多いチームの未来のため、自分がここにいるべきではないのではないか」とシアトル・マリナーズを去り、ニューヨーク・ヤンキースに移籍した。その際、私は「ピークアウトした後、自分の立ち位置を探すのは難しい」と思ったが、イチローは違った。
「イチローはヤンキースになかったものを持ってきた」と語るファン。ホームランという一発に頼っていたヤンキースが、盗塁を決め、どんな場所でも守り抜くイチローが加わったことで、機動力のあるチームと変わり、攻撃の幅が広がったという。

現実に慣れすぎて、小さな枠組みの中だけで考えないこと、
どんな環境でもそこに欠けているものを探して、
自分の立ち位置を明らかにし、全力を尽くすこと。
今の私に、必要なことだ。

キャリアのコア

先日、少し前、自分のキャリアを振り返り、「私には、どうしてもかなえたいという夢や一貫性がない」と旧い友人にぼやいたところ、
こんなメールをもらいました。

もう数十年前、いずみあきこからもらった手紙の内容を、今も憶えてる。
初めてラジオの仕事でアナウンスをした時のことが書かれた手紙。
「私の声が遠くの知らない人たちに初めて届く」と書かれた文面に
いずみあきこの思いの深さや強さを感じて・・・(略)。

「自分の考えをより多くの人に伝える」という意志は今も一貫していると思うし、
しかも今は、原稿を機械的に読むだけでなく、
自分の考えを自分の声で
たくさんの「遠くの知らない人たち」に伝えているのだから、
一貫した生き方と言えるのではないか・・。

そんなふうに思ってくれる人がいるとわかっただけで
なんだかずいぶん救われた気がしました。

ここ数ヶ月、大学生のキャリア・カウンセリングをしているのですが彼女も先日、自分のやりたいことを明確にできずに悩んでいました。

私の声が遠くの知らない人たちに届く――。
こんなたわいないことでも、キャリアのコアになると知ったら
少し勇気が出るのではないでしょうか。